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【ストーリー】
1988年・東京。機械いじりが何より好きな中学2年の女の手・荻野ヒカルは、ある日、突然の事故で両親を失う。落ち込むヒカルを励ましてくれたのは、ヒカルと同じ放送部の親友・有加と、ヒカルに好意を寄せる章吾。そして何よりヒカルを勇気づけたのは、偶然見かけた黙々とバレエの練習に打ち込む見知らぬ少年の踊りだった。その姿にヒカルは生きる希望と勇気を与えられた。
1997年、世界で最も権威のあるバレエ団イギリスのロイヤル・バレエシアターで、一人の日本人が話題になっていた。古瀬郁矢25歳。15歳の時に単身渡英、ロイヤル・バレエシアターで日本人として初めてのプリンシパルとなった彼は、バレエ界の歴史を塗り変えるであろう大物スターとして注目を集めていた。そんな折、郁矢は練習中に右足を骨折、療養を兼ねて日本へ帰国する。
28歳になったヒカルは、浴衣姿で毎年恒例の秋祭りを見物していた。その脇には、中学時代からヒカルだけを想う章吾。今では念願叶い恋人となった二人は、帰り道、車がインロックして困っているカップルに出会う。男は郁矢で、女は彼のマネージャー片岡京子だ。今だに恋愛より機械いじりが好きなヒカルは、持ち前の器用さで瞬く間に鍵を開ける。京子は「急用」を思いだし章吾の車でガソリンスタンドヘ。残されたヒカルと郁矢は、やっとエンジンの掛かった車で後を追うが、その車中、互いの本名すら名乗らない他愛のない会話の中で、お互いに心惹かれるものを感じていた。この時はまだ、この男がプリンシパルの古瀬郁矢で、14年前にヒカルに勇気を与えたあの少年であることも知るよしもなかった‥‥。
その後ヒカルのもとに、有加が離婚して戻ってきた。章吾も加わり、久しぶりの再会を喜ぶ三人。その時、ラジオから軽快なディスクジョッキーの声が流れてくる。ミスターFと名のる彼の声にあの時の男を思い出すヒカル。そして、あの時のときめきともいえる不思議な感情を抑えることが出来ず、ヒカルは“片隅のヒカリ”というペンネームで、ミスターFのラジオ番組にハガキを出した。ハガキを受け取った郁矢もまた“片隅のヒカリ”があの時に出会った一目惚れの女性であると確信、ラジオ番組を通して“片隅のヒカリ”探しに乗り出す。ダンサーを目指しバレエ一筋に生きてきた郁矢と、28年間恋することに臆病だったヒカル。恋愛に対してはどちらもF(落第点)の、二人の恋の物語が始まる。
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